はっきり言って高い!
設計を依頼するに当たって一番気になるのはそのお値段。設計料は、住宅規模でしたら一般的に工事費の1割程度が相場と言われることが多いです。仮に工事費2000万を想定すると設計料は200万、合計で2200万の費用が必要となってきます。
設計料が高いと言われる所以は、もし設計施工で請け負う施工業者に、予算2000万ですってお願いすれば、図面と見積もりが出てきて、問題なく家が立つことでしょう。つまり設計料の分だけ割高なんです。
誤解されないよう注記しておきますと、施工業者も設計料は見積もりに計上されています。ただ、その費用はおそらく数十万程度。これは設計料というより営業経費として解釈しましょう。本来、施工業者は工事することで利益を上げる業種なので、そもそも設計で稼ごうとは考えてないようです。
いや、むしろ安い?
一方、建築家の立場からすると、むしろ設計料は安いと思っている人が多いんです。そりゃ、もらえるもんなら多いに越したことはないので当然といえば当然と思うかもしれません。実際問題としては、基本的に依頼者あっての設計という仕事なので、依頼者の意向が大きく反映されがちになります。つまり設計料は低めに抑えられる傾向にあります。
また、万が一建物に問題が生じた場合、建築家は設計の保証だけでなく、建物の保証を求められる状況があり得ます。当然、監理業務も建築家の仕事ですから当たり前と思われるかもしれません。ただ、設計料からすると10倍の額となる建築物の保証と考えると、責任の対価としての設計料はけっして高いとは言えないかもしれません。
割高だとしても…
さて本題に戻り、割高だとして敢えて建築家に依頼するメリットとは何でしょうか?
まずは納得のいくデザイン(間取り)の設計を提供できる点です。というか、これこそ最大の目的であり、これ以上の理由は見当たらないのかもしれません。また、この点で施工業者に劣るようでは胸を張って設計料は請求できません。
もうひとつ、意外と見落としがちなのは、妥当性の審議という観点です。
例えば、工事見積の内容について説明を受けてもどうしても分からない場合、または施工業者から提案された内容に納得いかなかったり、選択肢が少なかった場合、もしくは施工内容が本当に正しいのかどうか判別がつかない場合など、あなたならどう対処しますか?
ひとつひとつ疑問点を潰していくことが理想的ですが、必ずしもそう出来るとは限りません。時間的に余裕がなかったり、直接言い辛かったり等。もちろん施工業者が思い通りの回答を用意してくれない場合もありえます。そこをフォローアップするのも建築家の仕事です。
特に、施工内容の妥当性については一般的には分かりづらい点も多く、後の不信感を募らせる結果に繋がりかねません。それを事前に払拭するのも重要な責務と思っております。
以上のように、単に図面を描くだけが建築家の仕事ではありません。設計料の内訳につきましては参考見積りをご要望いただき、内容をその目でご確認ください。
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